日本のやり方
この正月に「日の名残り」という映画を観て、原作者のカズオイシグロさんがノーベル賞をもらえたのは、英国にありながら、日本文学のよさを失わない小説を書いたからじゃないかというふうなことを書いたけど、最近の日本では相手の気持ちを察する人が本当に減っているのかも知れない。
石破・トランプ会談をみると、わたしにはお世辞としか思えないつくり笑いや、皮肉としか思えない言いまわしが目立つんだけど、それでも自分に都合よく解釈してしまう人が多すぎるんじゃないか。
トランプさんにしてみれば、要求するまえからでっかい手土産を持ってくる相手に無愛想な顔もできない。
こういう相手ばかりだと大統領も楽だなと思えば、自然に笑みがこぼれるだろうし、記念写真をといわれれば、つい破顔にもなる。
そんな無理にこしらえた笑いでも、日本(とNHK)はその部分だけを切り取って、会談は成功だったとナレーションをつけてくれるのだ。
だれがどんなにひいき目に見たって、今回の会談は国際的恥さらし。
中国が台頭するまで、世界第2の先進国といわれた日本が、どうしてあそこまで卑屈になれるのかと、ヨーロッパでも不思議がっているだろう。
京都のほうにはいけすかない客を追い返すのに、口には出さないテクニックがあるそうだけど、他人の気持ちを斟酌しない日本人ばかりじゃ、この手を使うのはますます難しくなるな。
日本企業をアメリカに進出させるというけど、アメリカで製造業をすればさらに国際競争で遅れをとるだけだから、当の企業こそいいツラの皮。
まわりまわって、日本はどんどん企業が衰退し、物価が高騰して賃金を払うのに四苦八苦するようになって、不景気もいよいよひどくなる。
日本の首相はいったいなんの目的でアメリカに行ったのだろう。
実績を作りたいために、こっちから会談を懇願したそうじゃないか。
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