昨日のNHK
NHKの報道の特徴に、過去の事例を持ち出して、いまもそうだというものがある。
ソ連の時代のロシア、毛沢東の時代の中国を持ち出して、だから(いまの)ロシアも中国も恐ろしい国だというのである。
そのくせアメリカでインディアンが殺戮されていたころのことは、ほとんど無視だけど。
昨夜の国際報道に台湾の2.28事件が取り上げられていた。
いったいいつの話だいと念のため確認してみたら、1947年で、戦後すぐの事件だった。
それなら、もちろんわたしは知っている。
国共内戦で敗れた国民党が台湾に逃れてきて、もともとそこに住んでいた本省人という台湾人を虐殺した。
わたしの愛読書である司馬遼太郎の「街道をゆく・台湾紀行」にも書かれているし、映画「悲情城市」は、このころの台湾を描いた名作だ。
つまりまだ大戦の余波が残っていて、戦後の政治体制に、民主主義でいくか、新興の共産主義でいくかと、人々が目標を決めかねていたころである。
朝鮮戦争はもうすこしあとだけど、ここでも北朝鮮、アメリカ軍とを問わず、済州島事件のようないまわしい虐殺事件が各地で起こっている。
台湾で足もとの定まってなかった蒋介石は、強引に島民を支配下に置こうと、手っ取り早い中国式解決方法をとったのである。
その後台湾では38年間も続く戒厳令が布かれた。
しかし1975年に蒋介石が死ぬと、後継者の蒋経国は独裁政治の限界を悟って、徐々に台湾をオープンな民主主義国に変えていく。
戒厳令が終わって、かって日本軍にも所属していた李登輝が総統になるころは、台湾は現在のような中堅の先進国に様変わりしていた。
それから歴史は一巡して、すべてが過去のことになった。
2.28事件のことをおぼえている人がどのくらいいるだろう。
歴史を忘れない努力は必要だけど、今の中国政府と過去の中国政府を同一視するべきではない。
香港が返還されたあと、あちこちで学生デモが起こった。
わたしはまた中国の軍隊によって、中国式解決方法がとられるのではないかと心配した。
そんなことはなかった。
香港に乗り込んできた大陸の警察は、まるで日本を見習ったかのようにソフトで、自由の女神の周庭ちゃんなんか、さっさとカナダに亡命したのに、べつに家族に難が及ぶわけでもなく、中国政府はやっかい払いしたなって感じ。
どうしていまNHKは2.28事件を持ち出したのか。
前出の映画も台湾ではかなり有名だから、台湾人がこの事件のことを知らないわけじゃない。
平和ボケした日本人に、他国の過去の汚点を無理やり教え込んでも仕方がない(歴史に興味のある人ならとっくに学んでいる)。
これもつまり、なんとか中国の悪い印象を広めようというNHKの陰謀だな。
ウクライナ戦争が思うような展開にならず、台湾有事も頓挫しそうなので、NHKはもうヤケッパチになっているんだよ。
おまけ
NHKの恒例のダブルスタンダード。
ロシアと北朝鮮の接近は、北の核開発を強力に押し進め、核軍縮を逆行させると、ロスアラモス研究時のシグフリード・ヘッカー博士の警告。
そのくせマクロンさんの、核の傘をヨーロッパに広げようという提案にはなにもいわないのだ。
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