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2025年3月14日 (金)

わかりやすい宣伝工作

昨日のNHK国際に、“わかりやすいプロパガンダ”の見本に使えそうなプロパガンダが。
まずトランプさんはウクライナに30日間の停戦を持ちかけ、ウクライナ側は了承したのに、ロシアが応じないと、責任はロシアにあるような言い方。
トランプさんはいったいどんな提案をロシアに持ちかけようとしているのか、それがぜんぜん説明されないまま、ボールはロシアに返されたなんていわれても判断のしようがないではないか。
たぶんゼレンスキーさんは、クリミア半島と東部4州の割譲で詰め腹を切らされ、そのかわりウクライナの国体の維持は保証してやるからと、トランプさんならいいそうなことだ。
それではウクライナにとって敗北に等しいから、日本のマスコミは報じないまま、責任はロシアにあるというのだろう。

だいたい、いまウクライナは盛大にボコられている最中だ。
太平洋戦争で沖縄が陥落し、日本の敗戦が確実になったあとで、待ってくれ、停戦しようなんていう資格が、日本にあっただろうか。
ボクシングでタオルを投げるということがあるけど、この場合はギブアップの表明で、そこで試合は終了だ。
ウクライナには無条件降伏以外の道はないのだよ。
いったいアメリカはロシアにどんな提案をしたのかね。

現在のロシアの経済状況を語るのに、イノゼムツェフさんというロシア経済の専門家が出てきたけど、彼はプーチン政権に批判的という説明がある。
これでは最初から、これはプロパガンダですと断っているようなもんだから、そんなことを最初に説明しちゃいけないね。
彼がいうのに、兵士不足のロシア軍は、高給で兵士を募集しているというんだけど、それのどこがいけないのか。
ベトナム戦争のころ、アメリカだってさまざまな好条件(外国の若者に国籍を授与するとか)をつけて兵士を募集していた。

こんなことを書くと、こいつ(酔いどれ李白)はすぐに過去の例を出すという人がいるかも知れない。
それは当然だ。
つねに過去の歴史を見すえて、全体を俯瞰しなければ戦争の真実はわからない。
ニワトリみたいに過去をすぐ忘れ、目についた自分に都合のいい事件だけを主張する煽リストが多すぎるのだ。

だいたいロシア軍が高給を払えるというのはどういうことか。
ロシアが制裁に屈してないということだし、辺境に住む貧しい少数民族の若者にとっては、ありがたいことではないか。
日本人だけが知らないだけで、ロシア人はみんなウクライナ戦争が、ロシアと西側枢軸国の戦いだということを知っている。
この戦争に負けたらロシアはどうなるかということも、みんな自覚しているはずだ。
だから高給で釣らなくても、あるいは街を歩いている若者をいきなり拉致しなくても、進んで召集に応じる若者だってたくさんいるだろう。
死ぬ可能性だってウクライナ兵のほうがずっと高いんだし。

このあとロシア軍に召集されたアモノフさんという兵士が出てきて、ぐちゃぐちゃとロシア軍の内情を暴露する。
彼の経歴が本物なら、これもまたロシアをけなすプロパガンダだろうということは、観るまえからわかる。
ロシア軍は兵士の命を顧みない軍隊で、アモノフさんはこれ以上人間を殺傷するのに耐えられず、兵営を脱走したというんだけど、ずいぶんあっさりいうじゃないか。
なんでそんなに簡単に脱走できたんだよ。
彼も北朝鮮の兵士と同じ、やらせ用の役者じゃないのか。
北の兵士も、以前ふたりだけ捕虜が出てきたけど、それっきり具体的な続報がないぞ。

おまけに由井秀樹サンがつけ加える。
ロシアの好景気は、ウクライナ戦争で兵器の増産をしている軍事産業が支えているなどというけど、おおきなお世話だ。
アメリカだって景気のほとんどを、兵器産業と保険業界と医療業界という、3大極悪業界が支えているということを知らんのか。
あまりにわかりやすいプロパガンダなので、わたしはやっぱりわかりやすいプロパガンダの見本としか思わない。

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