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録画してあった「僕の日本人助産婦を探して」というドキュメンタリーを観た。
観るまえはまた中国にケンカを吹っかけるプロパガンダ番組かと思ったけど、ぜんぜんそうではなかった。
これは戦後の中国吉林省で、日本人の助産婦に取り上げられた赤ん坊が、成長したあと、自分を取り上げてくれた助産婦の人生を追って、日中間を飛びまわるというものだった。
見終わったあと、普段ならすぐに文章にするはずのわたしが、茫然自失、ついもらい泣きをして、すぐには書けなかったくらい感動的なドキュメントだったのだ。
どうもNHKのスタンスはわかりにくいな。
こんな日中友好に寄与する番組を放映するなら、なんで台湾有事なんてものを持ち出すんだ。
番組に登場する助産婦さんは、日本の敗戦が決まったとき、家族で自殺を図ったけど、彼女だけが中国人に助けられ、そのまま中国の助産婦として戦後を生きた。
日中の国交が正常化すると、日本に帰国したものの、故郷の岩手には受け入れられず、そのまま名古屋の介護施設で亡くなったそうである。
幼少のとき彼女を見たという岩手の農民は、あのころはみんな貧しかったからね、いきなり帰ってきても受け入れられる親戚はなかったよという。
こういうことはたくさんあったような気がする。
せっかく親戚が生きて帰ってきても、せせこましい村社会ではケチなナショナリズムのようなものが作用して、ひどいときには財産目当てじゃないかと邪推して、家族に迎え入れないということが。
この助産婦さんはけっきょく中国にも日本にも居場所を失ったわけだけど、彼女の人生からは、人間として、わたしなんか比較にもならない巨大なものを感じてしまう。
帰国したあとの人生は幸せではなかったとしても、彼女が助産婦として取り上げた新生児は、中国だけで1万人以上いるのである。
彼女が日中友好に果たした役割は、そんじょそこいらの政治家が足もとに寄れないくらい大きい。
ちょっとまえに、中国で日本語教師をしていて、たまたま帰国したときベトナム人の若者に刺されて死んだ女性もいたけど、崇高な精神というのはこういう人たちのことをいうのだろう。
戦争を煽ってばかりのNHKのアナは、彼女たちの爪の垢でも煎じてほしい。
自局のアナにそういうことをいわせているNHKの上司たちは、そうさな、豆腐のかどに頭をぶつけて死んじまえ。
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