
昨夜のNHK国際報道には腹が立った。
そんなら観なけりゃいいといわれそうだけど、誰かがいわなければNHKの欺瞞は直らない。
わたしはパレスチナのハマスは、大戦時のフランスにおけるパルチザンのようなものと心得ているので、ただのテロリストと思っている人は、この先を読むことはないぞ。
先日はイスラエルの高官にずけずけと質問して、ウクライナでもそのくらいはっきりいえば見直すのにと、わたしにいわれていたアナウンサーの辻浩平クンが、今度はハマス幹部のオサマ・ハムダンさんにインタビューしていた。
今度もずけずけは一緒だけど、内容をあさっての方向、つまり自分たちは双方の意見を公平に聞いてますという作為がありありで、こんなものを公平の言い訳に使われちゃたまらない。
誠実そうなハムダンさんが気のドクだった。
冒頭に載せたのはハマスの襲撃後に、イスラエルが発表した現場の写真である。
わたしはいつか使う機会があるだろうと、しっかり保存していたので、まずこれをしっかり頭に入れておいてほしい。
辻クンはおととし10月のハマス奇襲を持ち出して、この攻撃でイスラエルに市民兵士あわせて1200人もの犠牲が出た、その証拠もありますとムハダンさんに迫る。
しかし犠牲者の数は問題じゃない。
たとえば大戦中のフランスで、パルチザンのひとりがドイツ軍1個連隊の移動をかぎつけて、連合軍に知らせたとする。
おかげでドイツ軍は甚大な被害をこうむることとなった。
この場合、犠牲が多いからパルチザンのやったことは不当だといえるだろうか。
おかげで怒り狂ったイスラエル側の容赦ない反攻をまねいた、これをどう判断するのですと聞く。
しかしよく考えてみよう。
ハマスの抵抗運動というのは、中東で最強の軍隊をもつイスラエルとの戦いである。
ハマスの奇襲はオートバイや民間の車両を使った時間との勝負で、イスラエルの正規軍が出てくるまえに、いかに多くの捕虜を得るかが勝負だった。
ハマスは女子をレイプしたなんてデマが飛びかったけど、そんな時間はなかったはずだし、じっさいに初期に解放された人質の女の子はみんな元気そうだった。
ここで冒頭の写真を見てほしい。
バイクと民間の車両を使っただけの、軽装備のハマスにこんなことができるだろうか。
おそらく失態をまぬがれるために、戦車や重火器を使ってイスラエル軍が敵味方かまわず撃ちまくった結果じゃないだろうか。
辻クンの追求はまだ続く。
おかげでガザ市民はイスラエルの徹底的弾圧にさらされることになった、ハマスにはあきらかな展望があったんでしょうかと。
あったとも(と、これはわたしの答え)。
10人や20人の人質なら、過去の例に照らしても、イスラエルが見殺しにすることはわかっていた。
しかし普通の常識で考えれば、100人以上の人質をとられたイスラエルは、なんらかの譲歩を迫られたかも知れない。
ハマスはその可能性に賭けたのである。
しかしネタニヤフさんは常識の通じない相手だった。
これはハマスの誤算だった。
暴力国家イスラエルのジェノサイドはいまでも続いている。
これだけの犠牲をはらって、ハマスはなにを達成したかったのかと辻クンは聞く(それも勢い込んで)。
ムハダンさんがまっとうな返事をすると、いったん映像を切って、辻クンひとりが答えている映像に切り替える。
返事につまったのではみっともないから、スタジオでどう返事をしたらいいかじっくり考えたんだろう。
卑劣きわまりないぞ。
ここでまたパルチザンというものの性格について話さなければならない。
たとえイスラエルが全く交渉に応じないとしても、ハマスは世界に対してパレスチナの窮状を訴えることに成功したのである。
ハマスが奇襲攻撃をかけなかったら、なにも変わらず、世界はいまでもパレスチナに関心は持たなかっただろう。
わたしはハマスの指導者だったヤヒヤ・シンワル氏の虐殺された写真も保存している。
彼はイスラエル軍に包囲され、頭を撃ち抜かれて殺されたけど、パレスチナの悲劇を世界にさらしたことで、きっと本望だったに違いない。
強者に抵抗するパルチザンの戦いというのはそういうもので、ハマスの奇襲は大成功だったのである。
ハマスは特定の個人の集団ではなく、パレスチナの精神だ(ということはイスラエルの軍人も言っている)。
つまり兵士を全滅させたとしても、ハマスは憎しみを倍増させて、つぎの世代に引き継がれる。
イスラエルがパレスチナ人をせまい一画に閉じ込めようとするかぎり、ハマスを永久に消滅させることはできないんだよ。
あらゆる場面で、誠実に返事をしているのはムハダンさんのほうで、辻クンはただひたすら自己チュウ的な質問をしているようにしか見えない。
上記のようなことをきちんと理解していれば、辻クンのインタビューももうすこし内容が変わっていたんじゃないか。
上からこういえといわれたにしても、彼はそうとうの馬鹿である。
馬鹿を使うNHKはこの上手をいく馬鹿だ。
こんなことを書いているやつがいますよと、誰かNHKにチクってくれんものかいね。
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