スラムドック・ミリオネア
「スラムドック$ミリオネア」という映画があった。
インドのカースト下位の境遇に生まれた青年が、テレビのクイズ番組に挑戦し、驚異の正解率で勝ち進み、懸賞の大金を手にする物語である。
おかしいじゃないか、学校もろくに出ていないやつがなんであんなにいろんなことを知ってるんだということで、視聴者から疑問を持たれ、なにかインチキをしてるだろと警察にリンチされたりする。
賞金が高額になるにしたがい、彼は少しづつ自分の過去を語り始める。
最後にあきらかにされるのは、青年が貧しい人生の実践的経験を通して、知識を得たということだった。
クイズの質問に“クリシャナ神の歌”を書いた詩人はというものがあったけど、青年は答えを知っていた。
幼いころにスラムのゴミ捨て場で、妹とともに人買いに買われた彼は、人買いのところでこの歌をうたわされたことがあったのである。
映画はスラムに生きる子供たちの悲惨な境遇とともに進行していく。
わたしも大学は出てない(入ってもいない)けど、それでもNHKの若手アナウンサーなんかを観ると、その無知ぶりに驚くことがある(前項を参照のこと)。
そんなわたしの知識のほとんども、社会に出てから、じっさいの自分の体験から学んだことが多いのだ。
たとえばわたしは旅が好きで、しかも中国やロシアのような、異なる歴史や文化を持った国に興味があり、いつかそういう国に行ってみようと、映画やテレビ、書物などでさんざん研究した。
だからロシアがどんな国か、プーチンがどんな大統領なのか、ウクライナ戦争が始まるまえからよく知っていた。
NHKがデタラメばかり言ってることもすぐわかったのである。
旅以外にも趣味・道楽で好きだったものに、読書全般と、具体的には歴史やサイエンスがある。
本を読むのも道楽のうちだから、手当たり次第にいろんな本を読みふけった。
それこそ文学作品から大衆雑誌、日本の古典、詩歌の類い、週刊朝日から新潮、文春などの週刊誌まで、ほとんど活字中毒といっていいくらい。
科学については専門書はムリでも、昆虫記やダーウィンの航海記、ナショナル・ジオグラフィックや、アシモフの科学エッセイなど、このへんは通常の読書ファンと変わらない。
つまりわたしの知識は、変な言い方だけど、趣味や道楽から得たものが多いのである。
それでもわたしは自分の知識を誇ろうとは思わない。
教師になろうという人ならそれなりの勉強を、電気技師なら電気に関する勉強を、寿司職人なら魚に関する知識やメシの炊き方、アナウンサーならいかに時間通りに終わらせるか、みんな必死で自分の専門分野の勉強をしていたとき、わたしはのんべんだらりんと趣味と道楽に明け暮れていたのである。
まあ、極楽トンボみたいな人生だったなと、いまでも自責の念にかられることがあるくらいだ。
なにか専門の勉強をしたって、わたしの場合、引っ込み思案やコミュニケーション障害などの欠陥があったので、行く先はたかが知れていた。
もうひとつの問題は、わたしは極端に奥手らしく、人間としてかなりの歳になるまで世間知らずだったことがある。
NHKの欺瞞にはっきり気づいたのは、ウクライナ戦争が始まってからだったのだ(それまでわたしはNHKしか観ないくらい公共放送のファンだった)。
そんなわたしが人生の終わりころに、ブログという世界にはまり込んで、言いたいことをいえるのは、なんかの奇遇だったのかと思ってしまう。
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