昨日のNHK
雨が降っていたので昨夜の散歩はお休み。
しっかりNHKの欺瞞をあばこうと、国際報道を観る。
視聴者の質問に答えるというコーナーで、辻浩平クン(NHKアナ)が張り切って、わたしが前々項で取り上げたイスラエル、ハマスの幹部へのインタビューを持ち出していた。
視聴者の質問のなかに、双方がおたがいに相手のほうがウソだと言い張るので、何がなんだかわからないというものが多かったのだそうだ。
最初に傲慢そうなイスラエルのニル・バルカト経済産業相が出てきて、ハマスが始めた戦争だから、降伏すれば1分で終わらせられるという。
わたしがいつもゼレンスキーさんに言ってるセリフだけど、あちらとは状況が異なる。
降伏したって、勝ち誇るイスラエルの攻撃の手が止む可能性があるだろうか。
ハマスをひとり残らず始末するまで、戦争はやめないというのがネタニヤフさんの信念ではないか。
つきに辻クンは、ハマス政治部門の幹部オサマ・ハムダンさんに迫る。
この戦争はいつ始まったと思いますかと質問すると、ハムダンさんは、ユダヤ人が土足でパレスチナにやってきて、イスラエルを建国した1948年だと答える。
さあ、どうだろう。
イスラエルのバルカトさんは2年前のハマスの奇襲からだというんだけど、どっちが正しいだろう。
わたしはアンタに聞いてるんだよ。
パレスチナの抵抗運動にはもっとずっと長い歴史がある。
第1次中東戦争から第4次におよぶ中東戦争があり、パレスチナだけでもPLOからファタハに続く闘争があり、強力すぎるイスラエル(と応援するアメリカ)に歯が立たず、あきらめや懐柔を受け入れたそういう組織のなかから、独立のためなら命を賭けるという、過激なハマスが創設されるのは1987年のことである。
2年前の奇襲にこだわっていて、いったい何がわかるのか。
たまたま12日に「耕助のブログ」さんが、J・ミアシャイマー教授の論文の翻訳というかたちで、このテーマを書いていた。
学術論文みたいなとっつきにくい記事だけど、参考にしてもらいたい。
「イスラエルはパレスチナ人を殺しているから、ハマスもイスラエルを攻撃している」というハムダンさんに辻クンは、「だからといって1200人を殺し、250人を人質にとっていいわけはない」と、何がなんでもハマス奇襲=悪という考えである。
「ハマスが市民を殺したことは認めるか」
「認めない」
「それはどういう意味だ、市民が殺された証拠はある」
これについてわたしは、前にイスラエルが公開した奇襲時の写真を載せて、軽装備のハマスにこんなことができたかと疑問を呈した。
殺された市民のなかには、軍隊の失態をかくすために、敵も味方も見境なく殺しまくったイスラエル軍によるものも多かったんじゃないか。
できるだけたくさんの人質をとるのは、人質を見殺しにするのが当然のイスラエルに、今度こそ考えさせようと最初からハマスの作戦だった。
100人、200人という大勢の人質をとれば、いくらなんでもイスラエルも交渉に応じるのではないか。
ということも前々項に書いた通りだ。
あいにくネタニヤフさんが、まるで常識の通じない相手だったことも。
もうひとつしゃくにさわったのは、ハムダンさんがまっとうな返事をして、辻クンがどう応答するかと観ていると、かならず映像がそこで途切れて、そのあとスタジオでひねくったような返事が持ち出されることだ。
こんなふうに映像を自分勝手に編集していいなら、どんな捏造でもできるじゃないか。
しかし、わずかながら救いもある。
この番組のなかでは、イスラエルのバルカトさんに対する質問(45秒)より、ハマスのハムダンさんへの質問(あいだに辻クンが考える時間をはさんで合計80秒くらい)のほうが長かった。
うがって考えれば、NHKは日本を代表する公共放送なので、いくらイスラエルが非道だと思っても、あからさまな一方の非難をするわけにいかない。
そこで質問時間に差をつけることで、精一杯イスラエルの非難をこめたのかも知れない。
それなら救いはあるけど、それにしてももう少しわかりやすくするべきだ。
NHKを観るのは、公共放送だからゼッタイに正しいと信じるポピュリストばっかりなんだから。
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