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2025年10月28日 (火)

上海Ⅱ/鈴掛の道

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YouTubeなんぞ観ていると、最近では上海へ、ディズニーランドのような気楽さで出かけてしまう若い娘も多いようだ。
うらやましいのは彼女らがSIMカードや、スマホのアプリなどを使いこなして、いまや日本より進んでいるかも知れない電子決済サービスを活用していることだ。
年寄りのわたしは無抵抗主義で、そういう作業はハナっからあきらめていたから、すべてを現金で押し通した。
日本のSUICAのような交通カードは使ったけど、これもリニア駅で現金で購入したのである。
それでもべつに問題はなかったから、自分も中国に行ってみたいというじいさんも恐れることはないゾ。

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前回は飛行機の真ん中へんに押し込められて、着陸時の景色がぜんぜん見えなかったから、今回はしっかり窓際の席をとって、上海を、ユーラシア大陸の一片を、たっぷり眺めることができた。
といっても文章で説明したのでは、見せるほうも読まされるほうも手間がかかって仕方がない。
で、本を読まない昨今の若者のために、着陸寸前の上海空港近くの写真をぞろりと並べる。
これがかっては何もない田園地帯だった浦東新地の現在のようすで、海岸のきわから、高層の団地がそびえているのがわかるだろう。

前回と同じく空港からリニアに乗った。
終点の龍陽路駅で降りたのもいっしょ、浦東平野にそびえる団地群に、ミーハーおばさんがため息をついたのもいっしょ。
そう、今回もミーハーおばさんがいっしょなのだ。
介護ヘルパーさんがいないと、わたしの足はいつへなへなになるかわからないのである。

タクシー乗り場では運転手が現金かと聞く。
そうだと答えると、100元だけどいいかという。
OKすると、メーターを入れずに走り出した。
こういうのは稼ぎを会社に納めず、自分のふところに入れようというのである。
悪いやつだけど、こっちには関係ないし、100元で行けるなら安い。

土地のだだっ広いところだから、南浦大橋を渡るあたりで渋滞はあったものの、ほぼ順調にタワーの錦江飯店に着いた。
100元以上請求されたら文句をいうつもりで手ぐすね引いていたけど、運転手はそれ以上請求してこなかった。

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ホテルでは欧米人の団体が多いのにおどろいたくらいで、チェックインの手続きも問題なく済んだ。
わたしたちの部屋は2104号室で、これは42階まであるタワーの21階ということ。
前回は旧館の、それも南館というはなれの部屋で、せいぜい5階だったから、今回はどんな景色を天上から眺められるのか、そんな期待はあった。

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部屋は可もなく不可もなくといった調子だけど、これはデラックスホテルとしてはという但し書きつきの評価で、貧乏人のわたしには贅沢すぎるくらい。
中国人のやることだから欠陥もあって、ウォシュレットの水が出ないので、お尻は紙で拭くしかなかった。
窓から眺めると東方明珠のテレビ塔が遠くに見えたから、部屋は東に面していることになる。
眼下にはグリーンのタータンらしい学校の校庭があって、生徒たちが運動をしているのが見える。

到着した日はホテル内と周辺の探索だけをすることにした。
ホテルの最上階は回転する展望レストランであるものの、贅沢な雰囲気なので、プロレタリア階層のわたしたちはいちども入ってみなかった。
地下鉄さえあればどこにでも行く自信のあるわたしには、メトロの駅が生命線だけど、「淮海中路駅」というのがホテルのすぐ隣りにあって便利。
前回泊まった旧館とタワーの新館はそれほど離れているわけではないから、駅以外は前回見たのと変わらない景色ばかりである。
部屋から見下ろすと、すぐ近所に赤い屋根瓦のびっしり建て込んだ旧弊な住宅街があるのがわかったから、その中をのぞいてみたいと思ったけど、塀に囲まれていて、部外者は立ち入りできないようだった。

街路樹はプラタナス(スズカケ)である。
これも紅葉するのかしらとミーハーおばさんが聞く。
黄葉はするけど、たいていはそのまえに茶色になって落葉するよとわたし。
そういえば足もとに枯れた葉が落ちていて、そろそろ落葉が始まっていた。
「鈴懸の道」という歌謡曲、あとで鈴木章治に編曲された日本のジャズ・ナンバーがあったことを思い出す。
夢は帰るよスズカケの道かぁー。
ガサゴソと枯葉を踏んで思うのは、今度こそ、今度こそ最後になるかも知れない上海の街のことである。

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この晩はまえに書いたように、食い倒れの上海に来て、「久久滴水洞」という店のピリ辛サトイモを食いに行った。
サトイモのほかには、揚げた茄子料理、ピリ辛の空心菜、そしてトマトだから菜食主義者の食事みたいなもので、これにエルディンガーというドイツ産の黒ビールをあわせると、辛い料理が多いからなかなかいける。
前回の旅で顔馴染みになったお姉さんが働いていて、わたしがトマトに砂糖ではなく塩だよと念を押すと、5カ月前に会ったわたしのことを思い出したようだった。
あのときわたしは出発まえに顔にケガをして、盛大にガーゼをつけていたものである。

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