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2025年11月11日 (火)

他人ごと?

昨夜のNHK国際報道に、英国BBCで会長と、もうひとりが辞任に追い込まれたという報道があった。
むべなるかなと思う。
BBCは英国の公共放送で、つまり日本のNHKと同じ立場だ。
ここが制作した番組は、まず自然科学のドキュメンタリーが素晴らしい。
わたしはBBCが作ったその手のドキュメンタリーは、かならず録画してディスクに焼く(いまは「ワイルドアジア」というシリーズをやっている)。
最近は機材が発達しているから、映像も素晴らしいけど、D・アッテンボローがいたころは、たんに生命の生態を捉えただけではなく、そこに流れる詩情がたまらなかった。
いまでもよくおぼえているのは、「旅をする種子」という一編で、砂漠の上を車輪のかたちをした植物の種が、風に吹かれてコロコロとどこまでも転がっていく。
かなり長いカットで、ナレーションもないのにかかわらず、生き抜こうという自然のたくましさを、これくらい確かに、なおかつ詩的に表現したものはなかった。

こんなふうに、自然科学の番組を作らせるとピカいちなんだけど、ウクライナ戦争では、BBCはロシア非難の急先鋒になってしまう。
それも素人のわたしが観てさえわかるような単純なプロパガンダで。
同じ放送局がどうしてこんなに変わるのだろう。
国際報道の辻浩平アナは、トランプさんの報道に恣意的な細工があったからと、他人ごとのようにいっていたけど、そんなことはNHKだってしょっちゅうやっているじゃないか。

ひとつ例を挙げよう。
昨夜の放送のなかに、CO2排出量トップの中国という発言があったけど、人口比からすればトップはアメリカである。
アメリカは中国の1/4の人口で中国の1/3以上のCO2を排出してるのだ。
人口ひとり当たりの排出量は、先進国のアメリカのほうが多いということは容易に想像できるじゃないか。
しかも野放図で削減努力もしないアメリカに比べれば、気候変動にも公害対策にも、中国は先手を打ってさまざまな対策をとっている。
NHKはそういうことに触れようとせず、さりげない言い方をするからよけい始末がわるい。

もうひとつ例を挙げよう。
9月12日の放送で、辻クンはイスラエルのニル・バルカト経済産業相と、ハマス政治部門の幹部オサマ・ハムダンさんにインタビューしていた。
本人は公平に扱ったというだろうけど、バルカトさんへのインタビューでは、相手がコワモテだったせいか、おとなしく、誠実そうなハムダンさんが相手の場合は、とたんに詰問調になり、まるで金持ちが貧乏人を見下すような態度に変わる。
ハマスのハムダンさんがどんな返事をして、辻クンがどう応じるかと興味を持って観ていたら、映像はハムダンさんが答える寸前で切れて、あとはスタジオでひねくり出したような映像に切り替わってしまった。

こんな細工をしても、日本では問題にする人がいないからいいけど、英国だったら会長と報道部門のトップの首が飛ぶ。
辻クンがいっていた、BBCの事件は他人ごとじゃないというのは、その通りなんだよ。

どうしてこんなに偏った報道をするのかと考えて、ひとつ思いついたことがある。
日本には借金が◯◯兆円もあって、日本人のひとりひとりが、生まれたときから◯千万円の借金をかかえている、というようなことがよく話題になる。
すると経済評論家と称する人が出てきて、その金はこれこれこういう事情なんだから、さしせまって返済しなくていいものなんだなどという。
小心者のわたしは、返済しなくていい借金なんて信じられない。

だから、つまり、それには、“現在の経済システムが続く限り”という但し書きがつくんじゃないか。
かりにアメリカ主導の経済システムが崩壊して、BRICS主導の経済システムに移行したら、返さなくてもいいはずの借金は、たちまち明日にでも返さなければいけないでっかい負債になる。
それが恐ろしいから日本(とNHK)は執拗に、現在のシステムを守ろうとしているんじゃないかね。
無責任なことをいっていた経済評論家たちは、こんな何百年、何千年にいちどの大災害になるとは思わなかったというひとことで、全員がトンズラだ。

わたしは経済に詳しくないから、最後はあくまで想像だけど、あまりにもキチガイじみた偏向ぶりのNHKを観ていると、そんなことを考えてしまう。

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