女相続人
ひさしぶりの映画の話題で、録画しておいた「女相続人」を観た。
オリビア・デ・ハビランドがアカデミー主演女優賞をもらった名作のほまれの高い映画だけど、製作は1949年で、古くさい時代のラブロマンスらしいので、そういうものが苦手のわたしがじっくり観るのは初めて。
でもまあ、名作というのはダテではなく、映画は後半にはいると俄然おもしろくなる。
そしていろいろ思うところのある映画だった。
ストーリーは、ある金持ちに、地味でひっこみ思案のアラサーの娘がいた。
父親は娘の将来を案じて、婿さん目当てで社交会に引っ張り出す。
ダンスホールで娘に目をつけたのが、モンゴメリー・クリフトの演じるいかがわしい若者。
彼は莫大な遺産目当てで娘に接近し、彼女を手なずけることに成功する。
世間知らずの娘はころりと籠絡されて、男と結婚の約束をしてしまう。
ところが男が仕事もしていない道楽者だとわかると、父親は猛反対だ。
しかしウブな娘は、いったん惚れた男に首ったけで、ついには男と駆け落ちの約束までしてしまう。
このへんは日本のさるやんごとなき家庭のトラブルを見ているようである。
激怒した父親が遺産はやらないと言い出すと、男は豹変して、待ち合わせの場所に現れない。
ショックを受けた娘はいよいよ家にひきこもり、だれとも口を聞かなくなってしまう。
やがて父親も娘を案じたまま年老いて亡くなり、すると男がもどってくる。
男は歯の浮いた言い方でもういちど結婚を迫るものの、娘は思わせぶりな返事をしたきり、男を家に入れようとしない。
男が家の扉をむなしく叩くところでジ・エンドなんだけど、男が誠実なのか不誠実なのか、最後まで曖昧なままなので、ミステリーの要素もある。
わたしにとって、この結末はなんとなく痛快な気分。
と、これだけの話だけど、ヒロインの喜ぶ顔、悲しむ顔、意固地になったかたくなな顔と、さすがはアカデミー主演女優賞をもらっただけのことはある。
わたしの場合、若いころからひねくれていて、愛情なんてものに懐疑的だったから、そもそも女の子に相手にされず、この映画のようなシークエンスは体験したくても出来なかった。
それでも最後にいいたいことは、女というものはたった一度のチャンスをものにしないと、ぜったいにもどって来ないということ。
これは教訓じゃない。
若いころの自分の経験から導き出した真理である。
わたしにもあるんだよなあ。
ただの一度だけ、チャンスをもらったのに、そのときラブホに行く金がなくって、ようやく金を作ったときには、相手はハナも引っ掛けてくれなかったってことが。
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