みんな頑張ろう
ある朝起きたら脳梗塞で介護老人になっていた。
治療方法はないのかねと考えていたら、どうもなさそうだ。
同じ病気を患った有名人に、あの田中の角栄さんがいた。
彼は資産家だし、いま太閤と呼ばれたほどの実力者だから、治療方法があるなら、彼のほうがとっくにやっているだろう。
そんな形跡がないということは、つまり脳梗塞には治療方法がないということだ。
これでは回復を信じてリハビリに励んでいる全世界の患者さんの希望を断ち切ってしまうな。
そう思うから、わたしはできるだけ楽天的に生きようと思う。
幸い日本は介護老人のアフターケアでも世界の最先端を行く国だ。
どっちにしてもわたしはそのうち寿命が尽きる。
残りの人生で、フツーの人がめったに体験できない脳梗塞患者の日々をつづって日本の文学史に名を残すのだ。
これもなにかの縁だけど、近所の元ライ病患者の収容施設・全生園には北条民雄いう先駆者がいた(彼の作品はいつでも青空文庫で読める)。
見よ、この気宇壮大なこと。
全世界の同じ病の患者さん、あなたは決してひとりじゃないんだよ。
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