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2026年5月10日 (日)

戦争映画

岡本喜八監督の「激動の昭和史,沖縄決戦」を観た。
沖縄の戦争についてはわたしも一文を書こうと思い立ち、その古戦場の視察までしたことがあるから(あまり期待しないまま)テレビ鑑賞した。
岡本監督は企業監督(映画会社に所属する監督)としては一時カリスマ的人気を誇った人だけど、やはり会社専属のままでは腕のふるいようがなかったようで、映画はNHKの終戦記念日番組と大差ない出来栄え。
特攻隊の取り上げ方なんか、ヘタすれば戦争賛歌になってしまいそう。  

ただ、この映画を観ていて思ったのは日本軍の認識のあまさ。
アメリカに対抗するための戦術というのが、沖縄に兵力を集中させ、できるだけ相手を困らせ、戦争を長引かせるというもの。
戦艦大和まで沖縄に突撃させ、浜辺に乗り上げさせてそのまま砲台として利用しようというムチャな作戦だ。
こうすれば手を焼いたアメリカは和睦に応じるのではないかと淡い期待。
つぎの戦争でも似たようなことが繰り返されるかも知れないから、若いもんはよくおぼえておけ。
困るだろうというのはこっちの願望であって、いったん優劣がつけば、勝ちに乗じた相手が兵を引くはずがない。
こっちが兵力を増強すれば相手は勝つために、それ以上の兵力を注ぎ込んでくるだろう。
そうして沖縄の悲劇が繰り返される。

想像力旺盛なわたしには、この映画程度じゃまだまだ薄っぺらな戦場の描き方にしか思えなかった。
願望だけで戦争に勝てないことは、ウクライナ戦争でも証明された。
戦場で兵士たちが、腕が一本なくなった、足が吹っ飛んだと、脳梗塞どころじゃない障がい者続出の惨状にあえいでいるとき、指揮官たちは、みんなで死ねばコワくないと空威張りばかりで、県民や、前途ある若い女子学生たちを地獄への道連れにした
丹波哲郎が長勇という参謀総長を演じていたけど、この軍人は中国で南京大虐殺にも加担したといわれた猪突猛進型の典型的な日本軍人で、この映画でも仲代達也の冷静な下士官に比べると、威勢ばかりいい軍人として描かれていた。
彼も沖縄戦後に割腹自殺したけど、中国で市民を虐殺したうえに、さら沖縄県民を道連れにした軍人として、腹を切ったぐらいで戦争責任を免れるのだろうか。
本人はあの世への道で、大勢のひめゆり学徒たちにかこまれて相好を崩していたかも知れない。

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