わたしご推奨のブログ「極東ブログ」さんが気になることを書いている(3月12日付の記事)。
「民族団結進歩促進法」といった中国の習近平さんの政策が少数民族の迫害につながるものだと、いろいろ理屈を並べているのだ。
彼の文章は読むべき価値があるとつねづね公言しているわたしとしては、ひとこと反論しないわけにはいかない。
これもまた政策の内容を中国共産党の説明通りに受け取るか、英国BBCのように全部悪意で解釈するかの違いだと思うので。
彼の今回の記事の核心は、「中華民族共同体意識」という新しい習近平指導部の政策である
たとえば、だれでもいいい、あなたでもいいし、極東ブログさんでもいいけど、あなたが中国の主席で、いまや世界の大国になりつつある中国をひとつにまとめ、繁栄のわけ前をすべての民族に公平に分け与えようとしたとする。
その場合あなたはまず何をするだろう。
たとえば上海の漢族と新疆のウイグル人では文化の発展度がまるで異なる。
ここに問題がある。
上海ではグローバル化が進み、文化の程度も日本のような先進国と違わないのに比べ、ウイグル人はまだまだ砂漠の農耕民族だ。
文化を公平にならして伝えるためには言語の統一が必要不可欠だ。
新疆ではブドウの栽培が有名だけど、言語が統一されていれば、ウイグル人も日本の甲州あたりのブドウ農家の技術を読んで身につけることができるかも知れない。
そこであなたがまずやるのは中国国内の言語の統一ということになる。
べつにおかしいことじゃない。
台湾を統治していたころの日本も日本語の普及に力をそそいだ。
おかげで台湾人も(当時としては)先進的な日本の農業や土木の知識を吸収することができて、嘉南平野を灌漑施設のととのった沃野に変えた。
つまり言語の統一はおかしいことではないばかりか、すべての民族を公平に扱おうというならむしろ必要なことなのだ。
アメリカを見よ。
アメリカはロシアや中国をしのぐ世界一の多民族国家かもしれない。
その国民がひとり残らず出身国の言語にこだわっていたら、国家の統一なんかできただろうか。
アメリカ人は英語という共通言語をマスターしないかぎり生きていくことさえできないぞ。
極東ブログさんにいわせると、こうした言語の上からの強要政策は民族のアイデンティティを消滅させるものだともいう。
わたしは以前このブログに書いたことがある。
そもそもアイデンティティを古い伝統的な生き方と解するなら、そんなものは進歩的な文化に埋没する運命なのだ。
アイデンティティの保護というと聞こえはいいけど、主席のあなたはチベット人に向かって、燃料はこれまで通りヤクのフンを拾ってきて、水は谷底まで汲みにいってきなさいというのか。
わたしの日本のふるさとは北関東の田舎だったけど、そのころは農家をしている親戚の家に遊びに行くと、庭に堆肥が積まれ、台所の一隅には牛が飼われていて、非常に非衛生だった。
日本人のアイデンティティを守るために、あの生活にもどりたいとは思わない。
現時点で中国が特定の民族を迫害している事例がひとつでもあるだろうか。
もしも将来その萌芽が現れてきたら、そのときに英国などといっしょになって騒げばよい。
新しい政策にかならずいちゃもんがついて、いつになっても前進しないのは民主主義の欠点だけど、まだだれにも被害をおよぼしてない段階では融和政策を同化政策だなんていちゃもんをつけるべきではないと思う。
極東ブログさんは硬派の文章を書く人で、過去にロシア擁護派かなと思える文章を書いたこともあって、わたしに頼もしい味方を得た気持ちにさせたこともあったのに、今回は知識をひけらかすだけの無理にとってつけた文書としか思えない。
相手の政策を悪意で解釈した文章を書けという命題があれば(原稿料をくれるなら)、私だって生成AIに負けない程度のものは書いてみせる。
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