ネットをめぐる

2023年1月 9日 (月)

ユーチューバーたち

負けが混んでくると、人間は相手のやることなすことに難癖をつけてうさばらしをするようになる。
逆にこちらが勝っている場合はそれほどのことはない。
日本在住のロシア人ユーチューバーのあしや嬢が、1年限定の在留資格証明書しか発行できませんと、入管から難癖をつけられているらしい。
日本はウクライナ支援のために血まなこになっている時期だから、上層部の顔の向きを忖度した役人の陰湿ないじめじゃないか。

彼女もそんなことを考えたのかどうか、YouTubeだって立派な職業だ、自分はきちんと日本の税金も払っているし、過去におかしな事件を犯したこともない、提出書類にも瑕疵はなかったはずなのにと主張しているけど、さてどうだろう。

あしや嬢がロシア人であることは別にして、彼女の日本での立ち位置に、はたして問題がなかっただろうか。
彼女はユーチューバーの草分けみたいな存在で、日本でYouTubeを始めた外国人としてはかなり早いほうだったと思う。
いまや将来なにになりたいかと聞かれて、ユーチューバーですと子供まで答える時代だ。
でもわたしは古い人間のせいか、職業はと聞かれて、ユーチューバーですと応えられると、なんだかうさんくさいものを感じてしまう。
むずかしい試験や資格も必要がなく、写真や映像の知識もない人間がいきなり始められ、そのへんの悪ふざけみたいな映像や、若い娘がパンツをちらりと見せるだけ、あるいは目立ちさえすればいいんだろうと、非常識なことをやってのける若者たちの映像で、高額の報酬を得られるという社会がまっとうなものといえるだろうか。

これはYouTubeだけではなく、もっと広い社会の問題だ。
わたしはあしや嬢のファンのひとりだし、彼女に罪があるわけでもないけど、そろそろYouTubeも曲がり角に来ているのではないか。
日本はいま少子化という悩みをかかえている。
そんな時期に、子供をつくるわけでもなく、お手軽で、世間をなめているとしか思えない職業を社会に蔓延させるとはと、役人が思っても不思議じゃない。
そうだそうだと役人のほうに賛成するのは、やっぱりわたしが古いからか。

あしや嬢がもっと長い在留証明をもらい、将来は日本に帰化したいと考えるなら、いちばんの方法は日本のそれなりの企業に就職をするか、日本人と結婚することだけど、YouTubeという、ひとりで自由気ままに生きられる仕事に味をしめた女性にはむずかしいだろう。
彼女の件が飛び火して、同じロシア人ユーチューバーの安涼奈(アリョーナ)嬢にも心配するメールが寄せられているようだけど、こちらは東大出の才媛だ。
それでもわたしがいつかこのブログに書いたように、弁護士でもなんでもいいけど、早く自分の能力を発揮できる堅い職業についたほうがいいと思う。

| | | コメント (0)

2022年12月14日 (水)

大地舜のブログ

なんだ、なんだ、この人は。
というのは最近わたしが愛読している「遠隔透視・実践者の苦闘」というブログの運営者のこと。
世間では数少ないめずらしいロシア擁護派のブログだったけど、昨日見たらタイトルが変わっていて、「大地舜のブログ」というものになっていた。
しかもプロフィールをながめると、反骨の奇人・宮武外骨のような、そうとうにブッ飛んだ人のようである。
これではブログの内容も信頼できないんじゃないかと思う人がいるかも知れないけど、これまでのところその記事は、そのへんのマスコミやSNSより正確であることも事実なのである。

たとえば、「実践者の」あらため「大地舜」のブログでは、ロシア軍は黒海艦隊からミサイル攻撃をすると書いてあり、翌日のNHKニュースはじっさいにそのとおりのことが起こったと報じていた。
ウクライナ軍はドニエプロ川の東岸に上陸したという報告は、日本のマスコミも取り上げていたけど、このブログではそんものはデタラメだと書いており、じっさいにデタラメだった(ほんの少数の兵士が東岸まで往復しただけだった)。
EUの女性委員長さんがウクライナ兵の死者数を正直に報告して、ウクライナから文句をいわれ、あわてて数字の部分を取り消したそうだけど、わたしは数字を取り消してないままの映像も見たことがある。
西側がロシア産石油の価格上限を設定という、新しい制裁をロシアにかけたけど、それは失敗だったという記事もあった。
現実にそんなものに効果があるとは、わたしも思わないし、これも大地舜さんの見方のほうが正しいと思う。

12月12日の記事では、ドイツのメルケルもと首相の発言が問題になっているけど、この件は日本ではまったく報道されない。
英国ではファイナンシャルタイムスがようやく取り上げたそうだ。
よっぽど記事に自信がなければ、すぐにバレるようなウソは書けないはずだし、英国のウクライナ報道はウソばかりだと書いていて、これもわたしがずっと思っていたことと合致している。
結果をようく吟味すれば、英国の報道はウソばかりである。

とにかくこちら側の報道では、ロシアは兵士が足りない、ミサイルが枯渇したなどとプーチンの弱みばかりを強調するけど、そのすぐあとに悲痛な顔のゼレンスキーさんが出て、大量のミサイルのせいでウクライナが苦境だと訴える。
こうやって矛盾や対立する結果を並べられると、大地舜さんのブログのほうが正確だと思わないわけにはいかない。
やたらにウクライナが優勢だとばかり書いているサイトは、ほとんどがウクライナ側が発表したプロパガンダだけを参考にしていることも明らかなのである。

昨夜になって彼のブログの新しい更新があったけど、アメリカの実態がどんなものか、皮肉ではなしにかなり辛辣なことが書かれていて、これもだれにでも思い当たることだ。
詳しくはいわないけど、リンクが張ってあるので興味のある人は一読を。

| | | コメント (0)

2022年12月 1日 (木)

ミリタリーサマリー

バイデンさんが意気消沈しちゃって、ウクライナ戦争の推移がさっぱりワカランだけど、ココログのブログのなかに興味深いものを見つけた。
遠隔透視・実践者の苦闘」という、わかったようなわからないようなタイトルのブログである。
このブロガーは「ミリタリーサマリー」という、現地からの情報を参考にして記事を書いているらしいけど、この「Mサマリー」というのは、ぜんぶ英語のYouTubeサイトなので、劣等生のわたしにはさっぱり意味がわからない。
しかしなんとなく、ウクライナの戦場からのなまの報告、つまり軍隊同士の連絡や、兵士たちが利用するSNSの会話などから構成されるサイトのようである。
このブログはどちらか一方に味方するつもりではなく、ただ現地のようすをプロパガンダ抜きで知るために「Mサマリー」を利用しているらしいから、これは現在考えられる最良の客観的なウクライナ報告かも知れない。

「実践者の苦闘」によると、ウクライナ軍の戦況はあまりかんばしいものじゃないようだ。
しかも内容はわたしが戦争の初期から考えてきたこととほぼ一致していて、無理なプロパガンダを感じさせないことばかりだ。
そんなことを、ロシアの味方であるわたしがいっても信じられないだろうから、「実践者の苦闘」と「Mサマリー」の両方にリンクを張っておくので、言葉のわかる人はもとネタを読んでみたらどうだろう。

| | | コメント (0)

2022年11月23日 (水)

野望と無謀

2222222_20221123165101

YouTubeが儲かるらしい。
ひとつわたしも始めようかと思って、いろいろ研究してみた。
世間にはちらりとパンツを見せるだけで、視聴者1万だ、2万だというチャンネルがたくさんあるけど、あいうのはたいてい若くてきれいな女の子である。
わたしみたいな頑固なじいさんがパンツというわけにもいかないし、身近に代わりにモデルになってくれそうな娘もいない。
YouTubeにはパンチラだけではなく、ありとあらゆるタイプの映像が上がっているから、何かわたしにできそうなこともあるのではないか。

幸いというか、わたしは世間にはこれ以上はないというくらいのヘソ曲がりだ。
ブログを読めばわかるだろうけど、わたしの映画評なんて世間の評価とかけ離れていて、世間が認めるものをけなす、ろくなもんではないとされている映画を賞賛したりする。
広い世間にはこういう映画評をおもしろがる人だって(百万だ、1千万だとはいわないけど)一定の数はいるのではないか。
だから映画を批評するチャンネルなんかどうだろう。

ところで先日のNHKニュースを観ていたら、「ファスト映画」というものが事件になっていた。
まだ公開まえ、もしくは公開直後の映画を10分ぐらいの短縮版にして、それを有料でネットに公開して、金儲けをする輩がいたらしい。
YouTubeには映画の予告編もあふれているので、10分ぐらいの映像なら予告編みたいなものであると主張できるんじゃないか。
ということを考えたんだろうけど、これはやっぱり、れっきとした著作権法違反である。
しかし世間にはわたしと同じように、好きな映画の批評をして、それでいくらかでもお足を稼ごういう人も少なくないようだ。
ただし冷静な人なら、これはヘタするとお縄問題であることを心得ているから、そのあたりでいろいろ苦労しているようである。

映画評というからには当該映画のワンシーンを載せたいのは山々だ。
じっさいに、ほんのわずかなら映画の一部を載せているYouTube映像もある。
ちなみに“2001 a space odyssey”というキーワードで検索すると、「2001年宇宙の旅」の映像を使ったYouTube映像がたくさんヒットする。
映画はまだ著作権が切れてないはずだし、あれってぜんぶ許可を得て使っているんだろうか。
なかには苦情が来たらさっさと削除してしまえ、ほんのいっときでも自分の映画評を世間に公開できればいいんだという人もいるだろう。
しかし貧しい年金暮らしのわたしは、そんな金にもならないことはしたくない。
かくして著作権問題と、わたしの欲望の衝突は果てしなく続いていくことになる。

YouTubeですでに無料で公開されている映画ならどうだろう。
古い作品や、著作権にむとんちゃくな外国の映画なら、そういう映画もたくさんある。
たとえばわたしがブログで取り上げた、ポール・ムニの「ゾラの生涯」、スーザン・ヘイワードの「私は死にたくない」、日本未公開らしいけど、スターリン時代の恐怖政治を扱ったロシア映画「チェキスト」、最近観た映画のうちの傑作と書いた「アンダーグランド」もYouTubeでいつでも観ることができる。
そんな映画の評価なんてだれが興味を持つのかといわれそうだけど、だからこそ、陽の当たらないこういう映画を紹介したって、映画会社が損をするわけじゃあるまいし、かえってお礼をいわれるのではないか。
うーんと考えているうち、またひとつの展望が開けてきた。

言葉がわからないからむずかしいけど、ロシアの映画なんて最新のものまで見放題だ。
ロシア語のわかる人なら、字幕をつけてYouTubeに載せれば、これはかなり視聴者を獲得できるのではないか。
映画にかぎらず、YouTubeに上がっているロシアの映像で、これはなんといってるのかと興味を持つ人は少なくないと思われるし、そこまでやるなら新しいネットビジネスとしても成り立つかもしれない。
YouTube自体はそのうち規約が変わって、いつまで美味しいものではなくなるだろうけど、ロシア人の奥さんをもらった日本人なら、いいサイドビジネスになるかもよ。
あ、また新しい金儲けの方法を伝授してしまった。
気前のいいのと、年齢がちいとばかり老けすぎていて、ロシア人の奥さんがいないのがわたしの欠点だな。

| | | コメント (0)

2022年11月10日 (木)

Meta めためた

わたしは基本的には民主党の支持者である。
あ、米国の中間選挙ね、日本のなんとか民主党とは関係ありませんよ。
そんな民主党の支持者であるワタシが、かりに選挙権のあるアメリカ人だったとする。
だとしても、この選挙じゃ悩んでしまうよな。
たとえば地球温暖化問題にしても、民主党なら、バイデンさんなら、なんとかしてもらえるかと思っていたら、ウクライナに首をつっこんで、温暖化なんざどこかへ飛んじゃって。
トランプさんはもともと科学にまったく無知な大統領らしいので、こういう人に未来を託す気にもなれないし。
とにかくアメリカの混迷を象徴するような今回の選挙。
アメリカには大統領の人材が払底しているのか、それともあの国はぜんぜん別の要因で動いているのか。

ウクライナ戦争さえ終わらせてくれれば、このさい、わたしはだれが大統領になってもかまわないというスタンス。
だからこの中間選挙にかぎれば、共和党に一縷の望みを託していたんだけど、結果はほんとうの意味の接戦らしく、まだいくつかの選挙区では結果が不明らしいので、これについて冷やかすのはもうすこしあとにしよう。

そのあいだにわたしの予感が当たってきた話題について。
このブログの2018年10月16日の記事で、いま世界を牛耳る新興5大企業GAFAMのうち、いちばん最初に脱落するのは「フェイスブック」だろうと予想したことがあるけど、フェイスブックあらため「メタ=Meta」が、社員の大幅削減に踏み切ったそうだ。
そりゃそうだよな。
わたしみたいな人間ギライにまで、ぜんぜん関係ない人物を、友達じゃありませんかと押し売りしてくる。
そんなもの虚業じゃないか、5年後には消えてなくなっているだろうと予想したんだけど、2018年の5年後といったら来年だ。
わたしの予知能力にわれながら畏れいってマス。

| | | コメント (0)

2022年10月30日 (日)

ヤフーニュース

新聞代わりに毎日ヤフーのニュースを読むんだけど、上から下までロシアを非難するニュースばっかりだ。
ヤフーのニュースというのは、ソースはテレビ局や新聞社のような別方面から引っ張ってきたものがほとんどだから、この調子では日本のマスコミは全社をあげてロシア非難の大合唱といっていいだろう。
最近はロシアがいちいち反論しないのをいいことに、こちら側は言いたい放題なので、ヤフーニュースの90パーセントは、すべてプロパガンダかデタラメと思ったほうがよい。
だいたいこちら側の言い分が正しいなら、とっくにロシア軍は海に追い落とされていいはずだけど、いまだに戦線は膠着みたいだし、バイデンさんはまたゼレンスキーさんのおねだりに応じて、ウクライナに軍事支援をするそうだ。

核兵器や“汚い爆弾”でも、ロシアがいえばウクライナは同じことをオウム返しだ。
こうなるとやっぱり部外者にはなにがなんだかわからない。
いっそのこと、そういうものがじっさいに使われてから非難したらどうなのだ。
それじゃ遅すぎるという人もいるだろうけど、そういう人が停戦のためになんか努力したことがあるのか。
プロパガンダに乗っかって戦争を長引かせるほうに協力しただけじゃなかったのか。

昨日もクリミア軍港にいたロシアの艦船に無人機の攻撃があったという。
犯人は、といわなくても、これはウクライナが自分でやったと認めている。
怒ったロシアが穀物輸出の合意参加から抜け出すと、なぜかまたロシアが悪い、途上国にとっては命の綱の穀物輸出を止めるなんてということになる。
ゼレンスキーさんはしてやったりというところで、世間のボンクラとわたしの血液は、正反対の理由で沸騰するわけだ。
ふつうならこんな一方的な報道ばかりに不審を持たなくちゃいけないんだけど、結果があれば原因もあると、そこまで考えが至らないんだろうねえ、世間の大半には。

| | | コメント (0)

2022年10月17日 (月)

ココログ列伝07

ひさしぶりにココログ列伝をひとつ。
というのは列伝にふさわしいブログをたまたま見つけたから。
「直木賞のすべて・余聞と余分」というのがそのブログで、ブロガー氏は週にいちどくらいしか更新してないから、これまで気がつかなかったのかも。
タイトルの下に内容の説明があって、それによると
インターネットの片隅で細々と運営しつづけていますが、直木賞に関することだけでブログをやってみたらどんな感じになるか、ちょっと興味がわいたので、やってみます。
ということである。

目をつけてから、大急ぎで記事のいくつかを読んでみただけなので、ブロガー氏について詳しいことはわからないけど、文章が軽妙で、ユーモアや皮肉があって(こういう分野に興味のある人にとっては)ひじょうにおもしろいブログである。
えらく直木賞の裏側に詳しいところをみると、書いた本人は文藝春秋社の社員なのかもしれない(と思ったけど、プロフィールを読んだら、そうではありませんと断わってあった)。
むかし永井龍男さんがやはり芥川賞や直木賞について、おもしろい本を書いていたけど、彼は作家であると同時に文藝春秋社の社員で、賞の裏側を知れる立場の人だった。

「直木賞に関することだけで」と謳っていても、作品の評価や感想にはほとんどふれず、もっぱら賞金額やその使い道にかたよっているところが、下世話な興味をひくところ。
おもしろいエピソードはどうしても古い受賞者に関わるものが多く、最近の芥川賞、直木賞にはこちとらぜんぜん興味がないもんで、新しい話題で興味のあったのは、直木賞の賞金が1989年から、もう30年以上据え置き(現在は100万円)というくらい。
本が売れなきゃ賞金の原資もないわけだし、現代は若者の活字離れが叫ばれる時代だ。
100万円ていどを稼ぐなら宅配の運転士でもやったほうが早そうだけど、それでも小説に夢を託す文学青年は引きも切らないだろうから、彼らに現実のキビシサを教えるのに役立つブログだと思う。

| | | コメント (0)

2022年9月 3日 (土)

迫りくる狂気

海外の万国反応記」というネット掲示板を見ていたら衝撃的な記事が出ていた。
わたしはこれまでコンピューターが人間を凌駕する日が来るとしても、それは囲碁将棋や競馬のように過去のデータが重要なもの、あるいは自動運転の車や無人操縦の兵器のように、具体的な動きを重ね合わせた機械が先だろうと思っていた。
芸術のように数値で置き換えできないものをコンピューターがこなすのは、いちばん最後になると思っていたんだけど、そうともいえなくなってきたみたい。

2222222

ここに載せた絵はコンピューター(AI)が現実には存在しない風景を描いたものだという。

なんだ、そんなもの、みんな物真似じゃないかという人もいるだろうけど、まったく予備知識なしに、これがAIが描いた絵であるとわかる人がどれだけいるだろう。
だいたいいまだって、芸術のよさなんかぜんぜんわからないのに、マネの絵です、ピカソの絵ですといわれると、画家の名前だけで感心してしまう人が多いではないか。
正直にいうとわたしにも、これがAIアートであることはまったくわからなかったので、えらそうなこといえないんだけどね。

これじゃそのうち日本が誇るマンガも、AIがストーリーから作画まで全部やりましたなんていうのが出てくるんじゃないか。
最近の若いモンは情感だのお色気だのという複雑な思考より、単刀直入におもしろけばいいってほうらしいので、そういうものならむしろAIのほうが得意かも。

芥川龍之介の「歯車」という小説は、なにげない日常のなかで、じりじりと悪化していく狂気に追いつめられる作家の心理を描いているけど、ああ、いまのわたしもそんな心境だ。
ウクライナ戦争では “あのNHK” のロシアに対する偏見の渦、そういうプロパガンダに容易に乗せられる人々、そんなところへ持ってきて、当分はないだろうと思っていたコンピューターの思いがけない進化ときた。
わたしみたいなじいさんを置いて、世界はまったく予知できない方向に進んでいるように見える。
やっぱりわたしって死に遅れかしら。

| | | コメント (0)

2022年9月 2日 (金)

FNNオンライン

わたしは左翼的な社会運動家という存在が好きじゃない。
イデオロギーで人を仕分けして、敵対勢力とみなせばなにがなんでも反対、功績なんかいっさい認めないというイメージだし、個々の運動家もあまり頭がいいように見えないから。
国葬反対にしても、あ、また始まったなという感じ。
これではオオカミ少年だから、もうすこし問題をしぼって反対運動をすればいいのにと思う。
まあ、彼らも商売だから、つねに騒いでないとオマンマの食い上げなのだろう。

ネットニュースを見ていたら、FNNプライムオンラインの記事に、「安倍もと首相のどこが国葬に値しないのか、誰か教えてくれ」というものがあった。
わたしは最初のうち、ちょっとオーバーだな程度の関心しかなかったけど、岸田クンのあまりの独善に、国葬についてしだいに疑問の気分が強くなった。
わからなければ教えてやろうじゃないか。
ただし世間がいうように、左翼的考えに同調しているわけじゃないぞ。

FNNプライムは国葬に値する理由を箇条書きにしてきた。
それは以下のようなものである。

(1)8年8ヶ月間首相を務めた
長くやればいいってもんでもないので、いかに困難な時期を乗り切ったかということが大切なのだ。
チャーチルやド・ゴールは戦争中の宰相で、ヘタすれば敵の爆撃で吹っ飛んでいた可能性もあったし、ロシアのプーチンはマフィアの暗躍していた祖国を、剛腕をふるって安全で健全なものに変えた。
いくら長くても、平和ボケした国民を相手に、できることをやっただけという首相とは比較できない。
だからこんなものは国葬の理由にならない。

(2)民主主義の根幹である選挙演説中に銃撃された
銃撃されたというだけで国葬に値するのか。
民主主義の根幹である選挙中?
プーチンだって民主的に選ばれた大統領だ。
いくら日本人がケシカランといったって、ロシア国民の過半数がプーチンを支持していることは間違いがない。
仕事で比較すれば、ロシアの大統領のほうがはるかに困難な仕事をしてるといえるだろう。

(3)外交、経済など歴史に残る業績を残した
外交、経済はこれまでも多くの政治家が取り組んできたことで、もと首相の業績ばかり押し出すのは不公平だ。
田中角栄首相は日中国交正常化に貢献したけど、たまたま中国が無視できないくらい成長してきて、時期が熟していたというだけで、だれがそのときの首相でも同じことをしただろう。
日本は民主国家なので、首相が独断でことを進めることはできんのよ。
独断で決めたのはつい最近の岸田クンぐらいのものだ。

(4)世界各国から敬意と弔意が示され多数の弔問の希望が来ている
これはデタラメである。
世界各国から弔意が示されたのは事実だけど、現在のところ出席者は権限のない米国のハリス女史と、英国の・・・・英国はいまだれだっけ、首相は。
フランスのマクロンさんは早々と欠席、ドイツもメルケルさんで間に合わそうとするかも知れず、中国はとうぜん下っぱで、ロシアはそもそも日本のほうでお断り。
権限も決定権もない三下ばかりが集まって、なにが弔問外交だよ。

ほかにもFNNプライムはゴタクをならべているけど
《集団的自衛権の見直しをして、日米同盟を再構築した》
《「QUAD(クアッド)」という対中包囲網をつくり上げた》
こんなものが業績になるのかい。
こっちの都合ばかりならべやがって、敵を増やしただけじゃないか。
これから海外旅行に行こうという日本人は、わたしの時代ほど尊敬を勝ちえないことを覚悟しとけ。

《自身は積極財政派だったが、日本の消費税率が異常な低さだったため、2度増税して10%にした》
日本人は教育水準が高いから、国の将来を冷静にながめ、このままでは将来がたちゆかなくなるという国民のコンセンサスができていた。
ペレストロイカを推進したゴルビーに、感謝のひとつもしないロシア国民相手のプーチンに比べれば、消費税増税もそんなに困難な仕事ではなかったはず。

すぐにプーチンのことになっちゃうけど、NHKの放送だってなんでもかんでもウクライナに結びつけてしまうから、こういうのが公平というんだよ。

《米国のトランプ前大統領、バイデン現大統領らと安倍氏の力の差は明らかだ》
それはそのとおりだけど、現在の岸田クンのことをいってるわけじゃない。
米国の大統領よりえらかったなんていったら、本当のことをいわれたって、米国が怒ります。

《国葬への反対が増えている理由は安倍氏の旧統一教会への関与らしい》
《安倍氏の業績とモリカケサクラを同列に扱うのはさすがに無理があると思う》
わたしも安倍クンの業績を認めることでは人後に落ちない人間なので、狙撃という突発事件のせいで突然ぶちぶちいい出す人の気持ちがワカラン。
モリカケも安倍クンには間接的な責任しかなかったと思っているので、この点はFNNプライムと同じ意見だ。

《首相は「国葬はその時の政府が責任を持って判断する」と答えた。それでいいんじゃないか》
《警備と接遇に必要な費用をかけるのは当たり前だ》
なにが当たり前だよ。
コロナのときは緊急に援助を必要としていた人が多かったから、安倍クンのやったことはそれなり評価できたけど、葬式なんて虚飾の最たるものじゃないか。
コロナからこっち、国の大盤振る舞いが目立つけど、首相は自分の人気取りのための予算は無尽蔵にあると考えてんのか。

わたしが国葬に疑問に感じるのは、乞食根性を発揮して、他人の金でやろうというその姿勢なんだよね。
自分の金でやるなら、国葬でも大日本帝国葬でも、名称にはこだわらないからなんでもやっとくれ。
救わなければいけない貧乏人(わたしみたいな)は巷にあふれているんだから、葬式に使う金があるなら貧乏人支援金にまわしてほしい。
うちの洗濯機だって、いつ壊れるか・・・・・あ、また。

| | | コメント (0)

2022年8月30日 (火)

中田クン

中田敦彦サンという人がYouTube上で、ロシア、ウクライナの関係について長いおしゃべりをしている。
見た感じは、きちんとネクタイをして、髪を73に分けた若者だから、日本の芸能界に詳しくないわたしは、どこかの大学の若手教授で、国際問題が専門の論客かなと思った。
ググってみたら「オリエンタルラジオ」というお笑いコンビの一方だそうだ。
お笑い芸人がウクライナ戦争を語ってイケナイという法律はないし、ウクライナとロシアのことをよく知らない日本人には、けっこう参考になりそうなことをいっているようなので、わたしも謹聴してみることにした、んだけど・・・・

謹聴していて、だんだん腹が立ってきた。
そんなことを最初に書くと、まるで自分の偏屈ぶりを証明しているようなものだから、腹を立てる理由は最後に書くことにする。

中田クン、いまどきの若者にしては、ロシアとウクライナの歴史などについて、なかなか勉強しているほうだと思う。
しかし歴史事実はなにかの本の受け売りのようだし、NATOについての基本的な説明までするところをみると、あまりレベルの高い人を相手にしているわけじゃなさそう。
相手の立場を理解する、つまり公平で客観的な見方についてはまったく話にならない。
彼のいうことはロシアとプーチンをおとしめる、ステレオタイプのワンパターンのお決まり事だった。

わたしはへそ曲がりだし、YouTubeにはあまりにも偏向した映像があふれているので、こういう映像を観るまえに気をつけることがある。
まずこの中田クンというのは、わたしみたいにまったく無色透明で、右も左も蹴っ飛ばすという信念でやっている人なのか、あるいはどこかの組織に属している人なのか。
組織に属していて、広報の目的でやってるとしたら、そんなものを信じるのはカルト宗教を信じるのと同じことだ。
それが特に偏向したものでなければ問題はないんだけど、昨今のYouTubeのチャンネルの中には、営利目的の会社になっているものがあるからね。

悲しいことに彼はいちおうの有名人で、ブウたれているわたしは無名のしろうとだ。
彼の話を聞く人は百万単位で、わたしのほうはせいぜい3〜400人(アクセス数をみると)だ。
中田クンの影響力はわたしと比べものにならないから、とうぜん影響されるひとも多いだろうし、プーチンびいきのわたしには看過できない部分がある。
いちいちそんな個人のSNSにつっかからなくてもいいだろうという人がいるかも知れないけど、しかし小さなゴミも積もれば山になる。
なにも知らない若い人たち(年寄りも)が、こういう情報におどらされて、ロシアに対する固定観念を持ってしまうとしたらオソロシイ。

彼の主張を聞いてみよう。
彼はロシアの新興成金(オリガルヒ)のことは、プーチンが追い出して国営企業に組み込んだとか、その利益をふところに入れたなどと詳しく触れるのに、オリガルヒの不正が問題になってEUにも入れてもらえないウクライナの事情については、まったく触れようとしないのだ。
プーチンが自分の個人的利益のために、国内のオリガルヒと組んだようなことは書くくせに、ロシアがプーチン以前と以後では、どのくらい安全で豊かな国になったかということも無視である。
いくらかでも触れて自分なりの解釈をするならわかるけど、まったくの無視なのである。

もうこれだけで、わたしは彼のいうことに腹を立てた。
独裁者だ、もとKGBだというのはけっこうだけど、その大統領のおかげで国民が幸せになっているなら、他国の人間が軽々しく誹謗するべきではない。
わたしはじっさいにロシアまで行って、あの国の実情を見てきた。
いったいどこが民主的でないのか、どこにスターリンの影が残っているのか、やっぱり芸人はといわれたくなかったら、もうすこし公平で客観的な見方をしてもらいたい。
わたしにいわせれば、民主主義というのはカルト集団の念仏で、ロシアや中国のように抑圧国家と呼ばれている国のほうが理性的である。
中田クンのチャンネルはほかにもたくさんあるけど、どうせ似たようなものだろうと、わたしはあとはひとつも観ていないのだ。

| | | コメント (0)

より以前の記事一覧