捨てられた子ら
去年のいまごろ、団地のとなりの棟の入口に、きれいに咲いたヒヤシンスの鉢が置いてあるのに気がついた。
きれいといっても飼い主はあまり手入れをしないらしく、球根が鉢からはみ出してきゅうくつそう。
見かねて、たまたま近くに放置されていたプランターに移し替えてやった。
文句があるなら連絡をと張り紙をしておいたのに、なんの音沙汰もなしに1年が経過した。
この1年のあいだに団地でも出入りがあり、となりの棟でも引越しやお亡くなりになる人が出た。
鉢やプランターもいつの間にか片付けられてしまった。
昨日、なんとなく気になってそのあたりをのぞいてみたら、鉢はなくなっていたけど、飼い主が忘れていったのか、ヒヤシンスの球根がふたつばかり、地表から浮き上がったまま、かろうじて細い根で地面とつながっているのを発見。
しかもそのうちのひとつには赤いつぼみが見えるじゃないか。
あらためて、生き抜こうというヒヤシンスのたくましさを見たような気がする。
で、今日はもっと広い場所で、思い切り根を張ってもらおうと、ふたつのヒヤシンスを庭に移し替えた。
時期的に植え替えなんかするときじゃないかも知れないけど、球根だから今年咲かなくても来年は咲く可能性がある。
どっちにしたってわたしが面倒をみなけりゃ、そのまま地表で枯れてしまった可能性があるのだ。
植え替えた場所はフクジュソウのとなりである。
この両者はほぼ同じ時季に咲くので、しかもベランダからすぐ下に見える場所なので、見守るにも具合がいいのだ。
というわけで、まだ来年まで生きる必要ができてしまったではないか。

















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