聴きまくりの音楽

2023年1月15日 (日)

ジェフ・ベック

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ちょっと遅くなったけど、ジェフ・ベックが死んだね。
ロック大好き人間のわたしがまたなにか追悼文でも書くかと思ったアナタ。
申し訳ないけど、わたしは彼のファンじゃない。
ひねくれていると思われるかも知れないけど、このブログはふつうに世間話を書くものではなく、わたしの個人的見解を書くものなので。

ベックの経歴のなかには、ヤードバーズにおけるエリック・クラプトンの後釜ということがあり、それが彼の名声を高めているんだけど、クラプトンの熱烈なファンであるくせに、わたしはベックのギターがどうも好きになれなかった。
わたしのひねくれをとことん証明するように、ヤードバーズでベックの後釜だったジミー・ペイジのファンでもないし、レッド・ツェッペリンでさえ好きじゃなかったのだ。
世間ではクラプトン、ベック、ペイジをあわせて世界の3大ロック・ギタリストというらしいけど、これはレコード会社のでっち上げだったんじゃないかと、いまでも思っている。

ベックについては、鳴り物入りで発売された「ベック、ボガート&アピス」というライブ・アルバムを買って、これが大ハズレ。
それ以来わたしは世間の評判をあてにしない男になったのだ。

わたしはクリームにいたころのクラプトンの熱烈、激烈といっていいくらいのファンで、このグループを聴いてから、わたしの評価基準はどこに行っても、クリームより上か下かということになってしまった。
そんなわけで、演奏だけなら好きなものはほかにいくらでもあるけど、わたしの個人的な3大ギタリストは、クラプトン以外ではジミ・ヘンドリックスと、ブルース・ギターのマイク・ブルームフィルドということにしておく。

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2022年12月31日 (土)

ストーンズ2015

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ローリング・ストーンズのライブ映像を観た。
NHKのBSで放映された2015年のロサンゼルスで収録されたやつ。
じつはわたしはDVD時代から、ストーンズのライブ放映があるたびに録画してディスクに焼いているし、ほかに市販されているDVDも持っている。
そういうわけでわたしの部屋には、「ハイドパークのコンサート」から、ロサンゼルスまで、ライブ演奏のディスクだけで6枚はあるし、CDもロンドン時代からのものを5、6枚持っている。
さらにストーンズの演奏はYouTubeにもたくさんアップされているから、タブレットがあれば映像を持ち歩いているようなもので、さすがにゲップが出そう。

ところがこのロサンゼルス版を観たら、ちとおもしろいと思った。
意外としぶい選曲で、ストーンズなら定番になっている「悪魔を憐れむ歌」だとか「ホンキー・トンク・ウイメン」、「サティスファクション」などの演奏がなく、「Dead Flower」、「Sister Morphine」、「You Gotta Move」といった、あまり馴染みのない曲が多いのである。
ストーンズの別の一面を見たような感じで、おかげでまたブルーレイに焼いてしまった(これはネット上で見つけたイラスト利用の、世界でゆいいつといっていいわたし専用のディスクだ)。

ついでに以前録画して、ゲップのせいであまり熱心に観てなかった「Shine a Light」を見返してみた。
これはマーティン・スコセッシ監督の作品だそうで、出来のよさにあらためて感心した。
撮影技術の向上や、わたしがストーンズ好きというせいでもないだろうけど、ライブ演奏のドキュメンタリーとしては、ひさしぶりに興奮する作品だ。
ただ、ドラマーのチャーリー・ワッツが永遠に見られなくなったことを思い出して悲しい。

というわけで大晦日の今日は部屋でストーンズづくし。
ひとり者にとって年末年始は恐怖だそうだけど、わたしにとってはとてもやっかましい年末だ。

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2022年8月 8日 (月)

デヴィッド・ボウイ

今日も渾身でNHKをくさそうとしたら、そうか、昨日は日曜日でニュースの少ない日。
ネタの宝庫のニュース9も休みだよ。
なんかネタを見つけなくちゃ、と無理やりひねくり出した話題がこれだ。

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2、3日まえにデヴィッド・ボウイのライブがテレビ放映されていたな。
めずらしいからいちおう録画したものの、けっきょく観ないで消してしまった。
理由をきちんと理屈づけるのはむずかしいけど、彼もクリームやジミヘンより遅れてきたミュージシャンで、最初からいささかゲテモノ扱いの存在だったからかもしれない。

わたしがロックを熱心に聴いたのは、ビートルズから始まって、60年代後半から70年代にかけてのロックの全盛期。
ストーンズやクリームのライブを聴いて、わたしは即興演奏というものに興味を持ち、ジャズに傾倒して、徐々にロックから離れていくことになった。
クィーンの項でも触れたけど、聴くというより見せるというロックが登場したころは、すでにロックに興味を失っていて、いくつかの曲を単発的に聴くことはあっても、その後のロックバンドにわたしが惹かれることはなかったのだ。

いまデヴィッド・ボウイについて思い出すことはないかと考えてみたけど、日本で山本寛斎や玉三郎、大島渚とコラボがあったことぐらい。
大島渚とくれば「戦場のメリークリスマス」だけど、これも男同士のホモ関係がエピソードの柱で、わたしにはまるっきり縁のないものだったし、だいたい音楽とは関係がない。
そういうわけで、世間で人気はあっても、わたしはデヴィッド・ボウイの曲はひとつも知らない。
知らないから聴いてみようという気にもなれない。
いちおう録画してみたものの、すぐに消してしまったのはそういうわけだ。
彼のコンサートは、ありゃ音楽というよりサーカスだよ。
熱烈なファンには申し訳ないけど、ボウイのうたった曲で、後世に残るような名曲ってなんかあるか。

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2022年3月 3日 (木)

暴力的に

ウクライナではあいかわらずドンパチが続いていて、ネタがないわけじゃないけど、いまうかつなことをいえない雰囲気。
そういうときはどうするか。
わたしにできることは、暴力的に音楽を聴くことしかない。
YouTubeで手当たり次第に思いついた音楽を聴いてみる。
なんとなく耳に残っていたビートルズの Here, There And Everywhereって曲を聴く。
つぎにB.B.King の The Thrill Is Goneを聴く。
とつぜんボサノバが聴きたくなって、「マシュ・ケ・ナダ」を聴いてみる。
そのつぎはミンガスのジャズで「直立猿人」だ。
ドアーズの「アブソルートリー・ライヴ」の中の Who Do You Loveで頂点に達し・・・・・

今夜もひきこもってしみじみ音楽にひたる。
え、宗教なんかに凝っているよりよっぽどマシな夜だ。
早く平和がきて、また日本にいるロシア人、ウクライナ人のユーチューバーが、好きなことをいえる世の中になるよう祈るしかない。

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2021年11月 3日 (水)

エリナー・リグビー

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YouTubeでビートルズについて調べたら、それ以来ビートルズに関する映像がぞろぞろ出てくる。
そのほとんどはユーチューバーが勝手に自分の考えを映像にしたものだけど、あらためて彼らの人気ぶりにおどろいた。
といっても誰もおどろかない。
それほどビートルズというのは、あらゆる世代を通じて、まだ生まれていなかった子供たちも、じいさんばあさんから話を聞いて、また新たなファンになっているのだから。
彼らが忘却の彼方に消える日が、そんな日が生きているあいだに来るのがどうか、わたしにはわからない(残りの人生を数えるとそりゃなしだな)。
こういうグループと青春を共にしたわたしの、ピンポイントのごとき幸運に感謝するばかりだ。

YouTube 
の映像の中に、わたし(あるいはボク、もしくはオレ)の選んだビートルズのベスト10なんていうものもあった。
たいていの音楽にいえることだけと、これこそ本人の主観であって、その人の選んだ曲が他人にもベスト10であるとは限らない。
人間が百人いれば百のベスト10があるわけだ。

そう断ったうえで、これはわたしの主観だけど、「エリナー・リクビー」という曲が出てこないベスト10というのは、わたしにはどうも信用できないのである。
ビートルズの曲の中で、「I Am the Walrus」という曲があって、これは何度も聴いているうちに、じわじわとその良さが伝わってきて、最終的にベストに加えたくなった曲だけど、「エリナー・リグビー」は、アルバム『リボルバー』で初めて聴いた瞬間から、素晴らしいと思った作品である。
わたしは長調と短調の区別もつかない音楽オンチだから、これは直感としかいいようがない。

しかるに他人の選んだベスト10を眺めると、この曲が取り上げられているものは少ないような気がする。
なぜかというと、ポールの独演会であるところへ持ってきて、オーケストラのストリングスなんか使ったその曲調が、どうも万人が認めるところのビートルズらしくないからじゃないか。

残念に思っていたけど、この曲はアニメ映画「イエロー・サブマリン」で、いちばん目立つところに使われていた。
社会の不条理を告発するような、シルクスクリーンを多用したきわめて印象的な場面だった。
映画を作ったのはアニメの詩人といわれたジョージ・ダニング(故人)である。
やっぱりわかる人にはわかるんだねと、同調者に出会ったような気分でホッとしたものだ。

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2021年8月26日 (木)

“チャーリー” ワッツ

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枯葉の落ちるがごとく、ひとつまたひとつと、わたしの時代を生きたミュージシャンが亡くなっていく。
チャーリー・ワッツ。
あのローリング・ストーンズのドラマーである。
それも終始一貫してドラマーだった。
ミック、キースとならんで、わたしが初めて彼らを聴いたときからずっとそのポジションにいた。
そんな重要なメンバーが亡くなったのだから、ストーンズもビートルズやクリームのように、永遠に再結成が不可能なバンドになった。
でもまあ、いいさ。
ものには順番というものがある。
彼らを熱心に聴いた青二才がそろそろ寿命が尽きようとしているのに、その青二才に影響を与えた音楽家が生きているほうがおかしいのだ。
いまの若いモンがどんな音楽を聴いているか知らんけど、わたしの時代が幸福だったことは間違いがない。

今夜はひさしぶりに彼らの演奏を聴こう。
なにがいいか。
やっぱりライブってことになるか。
レコードはすべて処分したけど、いまはYouTubeという便利なものがあって、ストーンズの音楽は、ここでほとんどすべてを聴くことができるのだ。
やっぱりわたしの世代って幸せだったんだね。
こういう便利な時代をかろうじて体験できて。

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2021年8月24日 (火)

Tuba Skinny

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おひさしぶりのチューバ・スキニー(Tuba Skinny)。
しばらくご無沙汰していたら、美貌(でだらしない感じ)の歌手エリカさんが本格的に復帰したようだ。
それはいいけど、子供を生んで腰まわりに肉がついたみたいで、いつも座っている太鼓がつぶれないかと心配だ。

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2021年3月 4日 (木)

ワルツNo.2

YouTubeでショスタコーヴィチの「ワルツNo.2」という曲を聴くのにはまっている。
なにかのきっかけで聴き始めたんだけど、どんな曲なのか聴くまでぜんぜんわからなかった。
聴いてはじめて、あ、この曲かと思い当たった。
おそらく音楽に無知な人でもどこかで聴いたことのある曲ではないか。
これはタイトルが味気ないからいけないので、「アムール河の波」や「満州の丘」のようにおぼえやすいタイトルにしてくれたらいいのに。
なじみはなくても、有名な曲なので、YouTubeにはたくさんの演奏が上がっているから、それをひとつづつ拾い出しているだけで、冬の夜も退屈しない。

ところでこの曲、わたしにはもうひとつ、どこかで聴いたおぼえがある。
はて、どこだっけと、ウィキペディアに当たってみたら、キューブリックの「アイズ・ワイド・シャット」のテーマに使われていたことがわかった。
映画はなんども観ているくせに、そのときは曲名を知らなかったのだ。
キューブリックは「2001年宇宙の旅」で、映画音楽の大御所たちを敵にまわしてしまったから、こういう既存の音楽を使うしかなかったのかもしれないけど、彼はわたしの好みの曲を見つけてくるのがうまいので、むしろ感謝しているくらいだ。
彼が見つけてきた曲には「2001」や「アイズ」以外にも、「博士の異常な愛情」のヴェラ・リンの歌、「シャイニング」のナツメロ・ポピュラーナンバー、「バリー・リンドン」のシューベルトなど、いまでもしょっちゅう聴く音楽があって、映画と同時に音楽も楽しめるのだ。

まだわからないという人のために、「ワルツNo.2」にリンクを張っておこう。
Eyes Wide Shut Theme by Dmitri Shostakovich - YouTube

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2021年1月31日 (日)

待望のエリカ

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おっ、待望のエリカがもどってきたね。
というのは早計か。
わたしの好きな街角バンドのTUBA SKINNY、そのボーカルで、2019年の出演以降とんとすがたを見せなかったエリカという美貌の女の子、ようやくもどってきたのかと思ったら、そうじゃないようだ。
新しい映像では彼らはソロモン・グロノウスキーというピアニストと遠隔コラボをしていて、ゲストとしてエリカ・ルイスも共演している。
TUBA SKINNYはニューオリンズ、グロノウスキーさんはベルギー、エリカは、えーと、たぶん米国の自分の家だろうけど、それぞれがべつべつの場所にいて、それをひとつ画面で見せるということをしているのだ。

グロノウスキーさんはベルギー在住のナチスのホロコーストの生き残りらしく、どういういきさつからか、彼とTUBA SKINNYの共演という話が持ち上がり、ただ現在のコロナ禍でそれが実現しないでいたものを、何人かの技術者の協力でネット共演が実現したってことらしい。
演奏中の音は聞こえても、映像は小さなパソコン・モニターでしか見えないらしく、連中もやりにくそう。

おもしろい試みだけど、わたしゃエリカが本格的に復活してくれる日を待っている。
また太鼓にこしかけて、だらしなくそれをたたく場面を見たいわあ。

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2020年12月21日 (月)

ジェニーの肖像

ディジー・ガレスピーという人がいた。
あ、知ってる、知ってるという人がいたら、その人もわたしといっしょで、棺桶に片足つっこんだ人だ、気のドクな。
パーカー、ミンガス、モンク、ブレイキー、マイルスなどと同様、バップと呼ばれた英雄たちの時代の、伝説的なジャズメンのひとりなのだ。
木の実をいっぱいにほおばったリスみたいに、ほっぺをまん丸くふくらませで、あさっての方向を向いたトランペットを、豪快に吹き鳴らす彼のことを覚えている人も、ん、もうだいぶあの世行きになっただろうな。

ただ、どっちかというと陽気でネアカなタイプ。
深刻な顔をしたジャズメンが好きな日本では、マイルスやモンクのうしろに隠れがち。
わたしもそうで、ウツの状態のときには聴く気がしなかったって人だ。

2、3日まえにYouTubeを聴いていたら、なんの因果か、たぶんほかの関連項目からたどって来たんだろうけど、「ジェニーの肖像」という彼のアルバムが引っかかった。
その冒頭の演奏が、彼にしてはえらいスローテンポで、抒情的な曲で、目のまえのウロコが落ちたよう。
ああ、またひとつ、生きているあいだに聴けてよかったという曲を発見。
今夜もこれから朝までパソコン三昧だから、またそういう曲を知ることになるかも。
しみじみと、生きていてよかった。

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